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患者さまへ 診療内容について

睡眠時無呼吸症候群

●睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症(睡眠時無呼吸症候群とも呼ばれる)は、睡眠中に無呼吸を頻発する疾患です。スペースシャトルチャレンジャーの爆発事故あるいは山陽新幹線運転士の居眠り運転などにこの疾患が関わっていたことから、一躍脚光を浴びるようになりました。症状としては、“習慣性のいびき”、“昼間の強い眠気や居眠り”などのほかに、睡眠は長くとっているのに“熟睡感がない”、“起床時に頭痛がある”なども特徴的です。とくに昼間の著しい眠気は熟睡できない結果として生じ、大事な会議での居眠りや度重なる交通事故を起こしてしまったという社会的障害を理由に受診する患者さんもいます。

 

【治療】

 就寝時に鼻マスクを装着し、気道に一定圧の空気を送り込んで睡眠中の上気道閉塞を防止する経鼻式持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)が最も有効で第一選択とされますが、無呼吸の回数が少ない軽症の場合や、CPAP療法が何らかの理由(圧力が強くて使用しづらい、圧迫感に耐えられない、出張が多くて携行が面倒、旅行時に同室者に見られたくないなど)で使用できない場合は、口腔内装置による治療が行われます。2004年4月より、終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG検査)という1泊2日の睡眠検査で口腔内装置が有効と判断され、医科からの診療情報提供書(紹介状)が発行された場合、口腔内装置は健康保険の適応が認められるようになりました。

 

 口腔内装置にはさまざまな形がありますが、当科で採用しているものは下顎前方位型口腔内装置で、その名の通り睡眠中に舌が後方に落ち込んで緩んだ咽頭部とともに気道を狭窄あるいは閉塞するのを防ぐために、下あごを前方に位置させ気道の拡大を図るものです(図1)。

 

図1 

 当科では保険適応となる以前の2002年より、睡眠時無呼吸症に対する口腔内装置による治療に積極的に取り組んでいます。2006年からは、快適な睡眠を得るための装置の要件として、下あごを適正な位置に保持し、睡眠中の呼吸を確保することはもちろん、装着感の良さも重要と考え、新たな口腔内装置を開発しました。

 長崎大学として特許を出願し,2009年11月「いびき防止装置連結材NKコネクター」として製品化されました(図2)。顎関節への負担も最小限にし、かつ耐久性に優れ簡便に作製できる装置として、全国の医療機関でも広く取り入れられています。

図2

 

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